第129話 暁月編・4

クロです。

エスティニアンという貴重なサンプルに錬金術師が歓喜している!

第128話 暁月編・3
クロです。 エーテル酔いで酷いことになったクロ達だったが、落ち着いたところでひとまず島の様子を調査することにした。 サベネア島の現状 サベネア島はラザハンの有する一番大きな島で、クロ達がついたのは海の玄関口とも言えるイェドリマンという港町だ...

護魂の霊鱗

さて、クルルに依頼を出したのはここデミールの遺烈郷の錬金術師ニッダーナ。

アルカソーダラ族の女性だ。

ヴァルシャンの持ってきた竜鱗に歓喜した錬金術師たちは今あるものを作る研究をしている。

あ、竜鱗は竜を殺して手に入れたわけではなく、ラザハンの盟友たる竜からのいただきものだとヴァルシャンが言っていた。

そして、錬金術師たちが作ろうとしているのは竜の鱗を使ったエーテル遮断装置「護魂の霊鱗」だ。

その実験のために光の加護をもつクロが呼ばれた。

下準備としてクロの加護の強度もテストするというので強烈な光のエーテル波を出すランタンの光を何度か浴びてみた。

第一世界の罪喰いを思い出すエーテル波だったな。

クロのテスト中、エスティニアンは実験サンプルになりサンクレッドとウリエンジェはへとへとになって寝ていた錬金術師たちのマンパワー不足を補うべく手伝いに奔走していたらしい。

そしてクロの加護に問題ないと判断された頃、錬金術師たちが「霊鱗が完成したぞー!」と歓声をあげた。

最終テスト

完成した護魂の霊鱗を持ったニッダーナとクロはサベネア島から見える島にそびえ立つゾットの塔の対岸にいた。

ここから小舟で塔に近づく。

霊鱗の効果が正しく発揮されれば無事に塔に近づけるはずだ。

クロはニッダーナの護衛であり、もしもの場合ニッダーナを取り押さえるために呼ばれたのだ。

この「誰かがやらなきゃならない役目」は自分の役目だとニッダーナは譲らなかった。

危険は覚悟の上、それでも自分たちの作ったものに自信と責任があるし失敗したらそれを糧に研究を続けて欲しいと。

二人を乗せた船は無事に塔のある島まで着いた。

途中何度も霊鱗は光り確実にエーテル放射を遮断していた。

「あと少し・・・」

塔の入り口まで足を進めるニッダーナ。

「着いた!実験成功だよ!」

振り返り歓喜するニッダーナに突如鎖が絡みつく。

あっという間に引きずり込まれたニッダーナ。

慌てて追うクロを塔の内部で待ち構えていたのはアシエン・ファダニエルだった。

ファダニエルとアモン

自分は転生組だし古い人の復活など興味もない、私は世界を巻き込んで死にたいんですと言い切るヤバイ奴ファダニエル。

クロに対し、そういえばあなたクリスタルタワーの調査にも関わったんでしたっけ?と言うファダニエル。何の世間話だ。

「アモンと申します」

まじかーここでアラグが関係してくるのか。

ほんとこの世界の悪い事や問題は大体アラグの所為なんじゃないのかってくらい色々やらかしてるなアラグ!

まあそのアラグもエメトセルクたちアシエンが関わってたらしいけど!

そんなこと思ってたら唐突に過去視が始まってふらつくクロ。

最初に目に入ったのはザンデだった。

アモンの敬愛するザンデ。

崩御後の堕落したアラグに嫌気がさしていたアモンはザンデを復活させる。

だが当のザンデは死ねば何もかも無であると生きることを喜んでいるようには見えない。

そこに現れるエメトセルク。

そして自分のクローンを置いてアラグを去りアシエン・ファダニエルとなったアモン。

転生前のファダニエルの記憶を継いでも強くアモンの心が生きているのが今のファダニエルなのか?

そんな過去を見ているあいだにファダニエルに逃げられてしまった。

「お仲間と頭をひねってくださいねー」などと言い捨てて去ったファダニエル。

とりあえず、ニッダーナは生きている。

現状を報告するべくデミールの遺烈郷に急ぐクロだった。

 

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